009 動作時での股関節痛(反り腰)
東京都江戸川区葛西にお住まいで江東区豊洲にお勤めの30代女性会社員
いつものようにストレッチをやっていたら左の股関節に違和感があったが特に気にせず、硬くなっていると思い念入りにストレッチを行う。翌日、朝起き上がると左の股関節に痛みを感じる。それでも筋肉痛だと思い気にせずにいると昼過ぎからは歩いていても痛みが出るようになる。結局、症状は改善しないので来院された。動作をしなければ痛みはないが曲げたり動かすと痛む。
検査では、左股関節の屈曲(膝を抱える形)と屈曲・外転・外旋(膝を抱える形で外に開く)の状態で痛みが生じる。深く曲げるとより痛む。足踏みなどの動きでは痛みは少ないが、体重をかけて実際に歩くと足を着いた時にも蹴る時にも痛みがでる。歩行観察をすると歩行時に体重がかかると痛むので左足に体重をかけないように右足で支えながら歩いていた。股関節には前外方変位があり、腰椎には強い左への側方変位(横へのずれ)があり、かなりの反り腰であった。まず、股関節の痛みを 取り除く為に筋肉を緩め正しい動きを回復させる。同時に腰椎の問題が股関節の動きを制限している為、腰椎に対してもアプローチしていく。3回の施術で痛みは消失し、左側に体重をかけても問題はなく、曲げたりしても痛みはなくなる。根本的原因の1つであると思われる反り腰を改善する為、その後も継続的な施術を続ける。
コメント:この方の場合、もともと腰のバランスに問題を抱えていたと思われます。股関節は腰や骨盤との関係が深く腰の動きに制限が出ると股関節の動きにも 影響が出ます。その状態で足を開くなどの動きやストレッチを無理に行うと筋肉や関節を痛めることになります。関節はその部分だけが働けば良いのではなく他の関節も正しく働きバランスをとる事で様々な動きができるのです。特に腰の反りが強い方は股関節の位置が変化していて股関節の動きが制限される事が多いよ うです。こういった時に、無理に動かしたりストレッチなどを行うと痛めてしまう事があるので注意が必要です。腰と股関節のバランスで言えば、普段ヒールの高い靴を履く方や反り腰の自覚がある方で股関節に痛みや違和感を感じている場合は、今回のケースと同様の原因が考えられます。