058 鞄を持とうとした拍子のぎっくり腰(急性腰痛)

東京都江東区東雲にお住まいの40代男性デスクワーク会社員

朝、出勤の際に床に置いてある鞄を右手で持とうとすると、右腰にビリッと痛みが走り、その体勢から身体を起こす事ができず前傾で固まる。何とかゆっくり動いて来院された。歩行も腰全体に痛みが響く。前日は運動のため自転車(スポーツバイク)に約1時間乗ったが、起床時までは全く問題がなかったとの事。豊洲ギックリ腰
 来院時、姿勢が前傾かつ左に傾いていた。姿勢観察や検査では右足に体重をかけられず、前屈をするとより痛む。腰全体が固まった状態で特に右腰の上の方が少し腫れていた。炎症があると予想できた為、冷却からはじめる。腰から股関節につながる腸腰筋群の緊張を緩めてから、炎症があると思われる筋肉の緊張を取り除いていく。少し動かせるようになったところで不安定になっている脊柱を矯正し腰への負担を減らす。さらに右側への加重ができるよう様子を見ながら施術を行い、歩行が問題ない状態になる。その後2回の施術でほぼ回復した。

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 コメント: おそらく自転車運動によって特に胸椎から腰椎にかけての背骨の後彎(後ろへのカーブ)が強くなり、背骨に不安定な状態が生じていたと思われます。それは背中側の筋肉が伸長され負担がかかっている状態であり、そこから鞄を持つ体勢になる事でより強い負担が生じました。不安定状態を察知した脳からの命令で筋肉を固め、姿勢を保持したという事です。この状態を回復させるには筋肉への負担を取り除く必要があります。筋肉を緩めるわけですが、具体的には筋肉を包んでいる筋膜に対してアプローチしていきます。筋膜リリースという言葉を使う事もありますが筋膜の緊張及び癒着を改善させます。施術における筋肉を緩めるという言葉は筋膜にアプローチしているのです。筋膜は筋肉をはじめ多くの器官を包みこみ姿勢維持に大きな役割を持っています。実際は筋膜が身体を支えていると言っても過言ではありません。その筋膜に過度な伸長が起こったのが今回のケースと言えるでしょう。