060 突発的なめまい
東京都品川区にお住まいの30代男性会社員
二週間ほど前に一昼夜通して仕事をして以来、突発的にボーっとするようなめまいの症状に見舞われる。疲れや肩こりから症状が起きているのではとマッサージを受けに行くが改善がみられず、他の原因を疑い来院された。
お話しを聞く中で、幼い時に高所から落下し右の鎖骨を骨折した事が分かった。そのため鎖骨の変形とともに付着する筋肉が短縮し引っ張られ、頭の位置も右側へと傾き、首が連なるように右斜めへと強く曲がっていた。椎骨脳底動脈の検査(首から頭にかけての血流の検査)は陽性で血流を阻害していると示している。施術は、首の傾きを正すため、胸椎と頚椎の付け根の背骨を矯正し、頭位が正しい位置に戻りやすいように調整。筋肉のアンバランスと血流を改善させることにポイントを置いた。鎖骨にかかわる筋緊張も緩めていく。バランスをとるために後方と側方へと歪んでしまった背骨を矯正。頭位が体幹軸に近づき首から肩にかけての緊張が緩和し、左右のアンバランスが減少した。椎骨脳底動脈検査は陰性になり、二回目には症状は消失。正しい姿勢を指導し、再発を防ぐため潜在的なゆがみを改善していく。
コメント:子どもの時に受けた外傷が問診にて明らかになりましたが、それが頭位を片寄らせ、今回の症状の原因となっているとは考えていなかったようです。この外傷・骨折が修復過程において筋の張力不均等をつくりだし、頭と首が傾き、体全体がそれに伴い弯曲しバランスを崩していました。この潜在的なゆがみが重度の疲労により強調され、めまいが発症されたと思われます。このようなケースでは無理をせず休息をとる事は基本となりますが、潜在的なゆがみを取り除き、バランスを整えていく必要があります。カイロプラクティックでは患者さんが気づかない根本的な原因を追究し施術をしています。