128 カイロプラクティックで改善しなかったケース1(椎間板ヘルニア)
東京都江東区豊洲にお住まいの30代男性デスクワーク
約5年前に医療機関にて椎間板ヘルニアの診断を受ける。それ以来、腰痛に悩まされている。普段は全体的な腰痛だけであるが、悪化した時は右お尻から膝裏あたりにしびれがでる。良い時と悪い時に大きな波があり、今回は1週間前から右膝あたりにしびれが出ている。椎間板ヘルニアがあることは承知しているが、少しでも楽になればと来院された。
来院時、椎間板ヘルニアの整形外科テストでは陰性でした。カイロプラクティック検査やバランスチェックをして分析したところ、おそらく椎間板ヘルニアによる神経圧迫などではなく、腰椎から足に続く坐骨神経の通り道に問題が起きていると判断しました。施術は、坐骨神経の通り道となっている梨状筋の緊張緩和を目指した施術を行ないました。結果、3回の施術でしびれの程度と頻度は大幅に軽減しました。しかしながら、デスクワーク時における軽いしびれと座位姿勢から立ち上がる際に出る太ももへの軽い痛みは改善しませんでした。その後、5回の施術を継続したところ、以上の症状も改善傾向であるものの完全には無くなりません。全体の状態としては大きく改善したのですが、座位姿勢が続いてしまうと再発してしまうとのこと。負担のかからない座り方や動作をお伝えし、維持を目的としたエクササイズやストレッチを実行してもらうものの、やはりデスクワークで長時間座位姿勢が続くと症状は現れてしまいます。そこである程度、現状維持を目的とした施術を、間隔をあけながら行うことを提案しました。それから3回ほど施術を継続しましたが、残っている症状は変わりませんでした。この結果から、一度、施術を中断して様子をみることにして、悪化した場合は早急に連絡を頂くこととなりました。
コメント:この方の場合、椎間板ヘルニアという器質的な問題があります。しかし、痛みやしびれは椎間板ヘルニアによる直接的な刺激ではなく、椎間板ヘルニアが存在することで身体のバランスが崩れ、梨状筋や腰部に負担をかけていたと思われます。いわゆる坐骨神経痛の状態です。何よりも座位姿勢が負担となっていることが明らかでした。しかしながら、お仕事であるデスクワークをやめるわけにはいきません。座位姿勢でも症状が出ない状態にするためには、体幹を安定させる必要があったと思いますが、調整がうまくいかなかったと考えます。同じように椎間板ヘルニアのように器質的な問題を抱えた方で症状が消失した方も数多くいらっしゃいますので施術が有効であることに間違いはないと思いますが、個々の状態をより正確に把握して、その方に合った施術方法で対応していく必要があることを改めて認識しました。症状や施術方法に対するご質問やご相談は遠慮なくお尋ねください。