139 カイロプラクティックで改善しなかったケース4 (椎間板症の可能性)
東京都江東区豊洲にお住まいの20代女性主婦
10日前から腰に痛みがあった。長時間の座位から立ち上がったりする時に痛みを感じていたが、今日になって歩行でも痛みがあり悪化している感じがする。今までにこういった腰痛はなく、思い当たる原因はない。ソファーに座っていることが多く、寝ているベッドは柔らかい。
来院時、腰の痛みが強くなるため右足に荷重ができません。腰を反ると左の腰に痛みがあり、左右に曲げても痛みが強くなります。バランスチェックの結果から右腰椎の機能不全によって右足荷重ができなくなっていました。椎間板ヘルニアの整形学検査は陰性でしたが、左足の小指側に若干の感覚異常があったため、椎間板性の問題がある可能性を考慮して、強い矯正は控え、持続圧をかける方法で行ないました。施術後は、動作時の痛みも軽減し歩行が楽になったため、負担のかからない寝方、座り方をアドバイスし、翌日の来院をお願いしました。しかし、翌日来院されると、前日に来院された時と同じように戻ってしまったとのこと。起床時は調子が良かったものの、朝にシャワーを浴びている時から痛みが強くなり、さらに用事があったため外出していると悪化して歩行もきつい状態になったそうです。そのため再検査と再チェックを行い、昨日同様の判断をして施術を行ないました。施術直後は痛みがなくなり改善しますが、歩いていると、再び痛みが強くなってしまいます。これを3回繰り返しましたが、それ以上の改善が見られず、立位になって歩くと痛みが増強してしまう状況でした。このような状態から椎間板性の問題を疑い、施術を中止して整形外科による精査をお願いしました。その日は、骨盤ベルトをすると痛みが少し軽減するのでベルトをして帰宅して頂きました。
コメント:今回は施術によって一時的には回復するものの、すぐに再発することから椎間板など器質的な問題が原因となっている可能性があると判断して、カイロプラクティックの施術よりも整形外科での精査と治療が有益であると考えました。カイロプラクティックは万能ではありませんし、整形外科での精査によって、もし仮に問題がなければそれはそれで良いと思います。カイロプラクティックの施術にこだわることで、重要な問題を見過ごしてしまう方が問題です。今回のケースは、問診、各種検査からはじめの段階で適応外と判断することは難しいケースでした。このように適応外であると判断した場合、医療機関の受診をお願いすることもあります。状態にもよりますが、カイロプラクティックの施術は、歩行ができるかどうかが大まかな目安になります。不明な点は遠慮なくご連絡ください。