156 カイロプラクティックで改善しなかったケース6(股関節の痛み)
東京都江東区豊洲にお住まいの40代男性立ち仕事
2ヵ月前に突然、右足の付け根に痛みを感じた。歩く時に鼡径部の奥に痛みを感じる。痛みは継続しているわけではなく、気にならない時もある。ただし、ここのところ痛みが現れる頻度が高くなってきたことに加え、立位時に膝の位置が左右で揃っていないことに気がつき、心配になり来院された。
来院時、自動運動での動作時に痛みは現れておらず、右股関節の軽度の屈曲制限がありました。膝を曲げながら股関節を手前に持ってくると鼡径部に少しだけ痛みを感じます。立位時は右膝のお皿がやや前側に出ていました。全体的な身体のチェックをしていくと、かなり右重心のバランスであり、左側の腰椎、股関節の機能が低下していました。施術は、右股関節の負担を軽減させるために牽引をしながら、左股関節および腰椎、さらに胸椎を矯正しました。施術後は、右股関節の屈曲制限が緩和され、痛みも消失していました。立位時の膝の位置もほぼそろった状態になりました。この状態は、すぐに戻る可能性が高いと判断し、安定した状態まで継続して施術を受けて頂く提案をしました。結果からいうと、この方のケースでは翌日、また痛みが再発したということで、本人のご希望により施術を中止することになりました。こちらとしては、悪い条件が揃えばすぐに元に戻る旨を説明し、だからこそ継続性の必要性をお伝えしていたのですが、その部分がうまくお伝えできなかったようで、不安な思いをさせてしまったようです。このような状況になると施術者側に対する信頼性が損なわれていますので、いくら効果的な施術を行なっても、症状の改善は期待できない可能性があります。
コメント:今回のケースは、カイロプラクティックの禁忌症でもなく、施術自体に問題があったとは考えていません。経験上、5~6回の施術で安定した状態になると感じました。そのことも含めて、お任せ頂きたくご説明をしたつもりでしたが、こちらの意図が正しく伝わらなかったようです。これに関しては、深く反省しています。改善できるケースであったために、なおさら残念でなりません。今後も、お身体の状態や施術方針をできるだけわかりやすくお伝えできるよう、努力をしていきたいと思います。施術を行なううえでは、信頼関係が重要であることを改めて感じました。ご質問やご不安な点は、遠慮なくおたずねください。