腰部脊柱管狭窄症
脊柱管狭窄症とは?
背骨を構成する骨のことを椎骨と言います。この椎骨には椎孔という穴が開いており、ひとつひとつの椎骨が積み重なるとパイプ状の管ができます。この穴のことを脊柱管と言います。そして脊柱管の中には脊髄が収まっています。下端の方では馬尾神経が通っています。先天的な構造特性や加齢に伴う椎間板や椎骨の変性によりこの脊柱管が狭まくなり何かしらの症状を出すことを脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)と言います。
どんな症状が出るの?
主な症状は腰痛や下肢のしびれ、痛みです。この下肢症状は椎間板ヘルニアでは一側に出るのに対し、脊柱管狭窄症では多くの場合両側に現れます。そして、最も特徴的な症状が「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」です。間欠性跛行とは歩き出して数分すると脚にしびれや痛みが出てきます。しかし、前かがみや椅子などに腰掛けると軽減もしくは治るというものです。また、カートや杖を使って前かがみの姿勢で歩くとしびれや痛みが出づらくなります。そして自転車では長時間乗ってもこのような症状が出ないのも特徴的です。更に病気が進行すると立っただけでも下肢にしびれや痛みが出てくるようになります。この間欠跛行には2種類あります。1つは前述した神経性のものです。もう1つは閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)が原因で起こる血管性のものです。血管性が原因の場合、神経性と違い、間欠性跛行が起こったときに立ち止まって休むだけで症状が落ち着きます。
治療方法は?カイロプラクティックの施術では?
脊柱管狭窄症の整形外科での一般的な治療は薬物療法や物理療法、運動療法、ブロック療法などの保存療法です。しかし、病状が進行し日常生活に支障が出てくると手術が治療の選択肢に入ってきます。
脊柱管狭窄症になる方の多くは腰の凹み(前弯)が強く、骨盤の前傾角も強い傾向にあります。カイロプラクティックの施術では根本原因と考えられる過前弯(かぜんわん)と骨盤前傾角(こつばんぜんけいかく)を浅くする調整を施し、姿勢改善を図ります。更に牽引による神経症候へのアプローチも行います。また、施術効果を維持するための運動療法も指導します。つまり、椎間板ヘルニアなどと同様に器質的な問題自体は治すことができませんが、身体にできるだけ負担をかからない状態にしてあげることで、症状の軽減や改善を目指し問題を解決します。