腰椎変性すべり症
すべり症とは?
腰骨(腰椎:ようつい)は5つの骨(椎骨:ついこつ)で緩やかな前弯(:ぜんわん-前カーブ)を形成しています。先天的な構造特性や加齢に伴う椎間板や椎骨の変性により腰椎の配列が乱れ、椎骨が前方にずれることを腰椎すべり症と言います。50代から60代の女性に多く、最も変性するのが第4腰椎で次いで第5腰椎、第3腰椎の順となります。
どんな症状がでるの?
主な症状は腰痛と下肢の神経症候です。初期では腰痛だけのことが殆どですが進行してくるとお尻や太ももの裏、ふくらはぎなどにしびれや痛みなどの神経症候が現れてきます。そして、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)と同様に間欠性跛行(かんけつせいはこう)を呈します。
間欠性跛行とは歩き出して数分すると脚にしびれや痛みが出てきます。しかし、前かがみや椅子などに腰掛けると軽減もしくは治るというものです。また、カートや杖を使って前かがみの姿勢で歩くとしびれや痛みが出づらくなります。そして自転車では長時間乗ってもこのような症状が出ないのも特徴的です。更に病気が進行すると立っただけでも下肢にしびれや痛みが出てくるようになります。この間欠跛行には2種類あります。1つは前述した神経性のものです。もう1つは閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)が原因で起こる血管性のものです。血管性は間欠性跛行が起こったときに立ち止まって休むだけで症状が落ち着きます。
どんな治療があるの?
腰椎すべり症の整形外科での一般的な治療は薬物療法や物理療法、運動療法、ブロック療法などの保存療法です。しかし、病状が進行し日常生活に支障が出てくると手術が治療の選択肢に入ってきます。
カイロプラクティックの施術は?
腰椎すべり症になる方の多くは腰の凹み(前弯:ぜんわん-前カーブ)が深く、骨盤の前傾角(前へ倒れる角度)が強い傾向にあります。カイロプラクティックの施術では根本原因と考えられる腰椎の過前弯と骨盤前傾角を浅くする調整を施し姿勢改善を図ります。そして施術効果を維持するための運動療法も指導します。また、神経症候が出ている場合には牽引(けんいん)して、神経の締め付けを開放して緩和させ症状を改善させます。すべり症という腰椎の器質的な問題を治すことはできませんが、姿勢やバランスを調整することで負担を軽減することは可能ですので、カイロプラクティックの施術によって症状を改善することはできるのです。